仙台北陵クリニック 筋弛緩剤えん罪事件

◆守大助さんを支援する茨城の会が発足

 2013年2月23日、標記の会が結成されました。この事件は、2001年1月に、仙台市の北陵クリニック病院の准看護士だった守大助さん(当時29歳)が、5人の入院患者の点滴に筋弛緩剤を混入したとして殺人・殺人未遂の罪で無期懲役刑が確定した事件です。当時、テレビや新聞で大々的に「殺人鬼」のように報道されたことを覚えておられる方も多いでしょう。しかし、守さんは一貫して無実を叫び続け、昨年2月に獄中から再審申立を行い、現在仙台地裁で審理されています。

 結成総会で講演された阿部泰雄弁護団長から、この事件の冤罪性が詳しく報告されました。その第一は、有罪の根拠とされた大阪府警科捜研の「土橋鑑定」が全く信用できないことです。鑑定では「患者五人の血液等から筋弛緩剤の成分(未変化体)が検出された」としたのですが、体内を通過すれば成分が「変化体」に変わって『検出されるはずがない』のです(志田保夫・前東京薬科大学教授の意見書)。また、その試料は「全量消費した」として、再鑑定をできなくしました。こうしたものに証拠価値など認められません。

 これに対して、検察は2012年12月に、「試料は残っていた」「試料から『変化体』が検出されている」等と、確定審での主張を一変させてきました。こんな主張がまかり通れば、裁判など何の意味もなくなるのではないでしょうか。

 再審請求審では、他にも患者の急変は「筋弛緩剤による症状ではありえない」(池田正行・長崎大学教授の意見書)、守さんの「自白」は犯人の供述としては不自然でありむしろ無実性を示している(浜田寿美男・奈良女子大学名誉教授の意見書)ことなどの新証拠が提出されており、もはや守さんの無実は明らかです。

 茨城の支援する会は、34番目の支援組織です。今、全国津々浦々から「無実の青年の無期懲役を許すな」という運動が広がっています。私たちは、布川事件で再審・無罪を勝ち取った経験をつないで多くの方に事件の真実を知らせ、一日も早く無辜(むこ)の救済が実現できるよう支援運動を進めていく決意です。皆さまのご支援をよろしくお願いします。

2013.3.20(事務局 大名章文[守大助さんを守る茨城の会事務局長])


守大助さんを守る茨城の会からのお知らせ


☆署名にご協力ください☆

◆仙台北陵クリニック・筋弛緩剤冤罪事件、守大助さんの
速やかな再審開始決定を求める要請署名にご協力下さい。
守大助さん全国連絡会署名(茨城の会).pdf

☆支援する会ニュース☆
守さんを守る茨城の会ニュースNo.1.pdf
守さんを守る茨城の会ニュースNo.2.pdf
守さんを守る茨城の会ニュース№3.pdf 



 
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