借地・借家問題

 
 借地借家を巡るトラブルは多く,法律相談等における相談件数としてはかなりの割合を占めます。また,相談にとどまらず,紛争として事件となる件数も多い傾向にあります。
 
 借地借家の問題に関しては,法律上,借地人・借家人が手厚く保護されることにより,(1)地主・大家から不当な立退きを求められてもそれを拒絶できたり,(2)1か月だけ賃料の支払いが遅れたからといって,それだけでは契約を解除されることがなかったり,(3)借地権価格がその土地の時価の6割~7割という価値を有し,その借地権を第三者に譲渡することにより金銭に換えることができたりするなど,良い面は多々あります。

 しかしながら,他方では,地主がその所有する古い建物を建て替えて高層マンションを構築して収益性を上げようと思っても,その古い建物の借家人が明渡しを拒絶する場合には,なかなか明渡しを求めることができないため,立ち退きをどうしても求めたい場合には多額の立退料の支払いを余儀なくされるといった問題があります。
 
 このように,借地・借家問題は,貸主と借主の立場によって採るべき対応は大きく異なりますが,いずれにせよ借地・借家を巡る関係については,法律が非常に細かく規定されています。
 
 法律に沿った適切な解決をするためにも,借地・借家問題でお悩みでしたら,是非一度当事務所までご連絡下さい。


費用

 
 
  1. 交渉・調停事案

    借地権・借家権価格を基準にして一般基準を当てはめる。

    ※但し,最低着手金として22万円(税込。借家の場合)から33万円(税込。借地の場合)程度。

  2. 訴訟事件

    借地権・借家権価格を基礎にして訴訟一般基準を当てはめる。

    ※但し,最低着手金として33~55万円程度(税込。なお,交渉前置事案は,別途相談の上で決定する)。

 

 

 
 

翔の事件簿

 

ある法律相談1(賃貸人)

 
A:私は、写真屋さんにお店を貸しているのですが、最近のデジタル写真の普及で困っているようで、ここ1、2年賃料が支払われないことが多くなり、未払賃料が150万円以上溜まってしまっています。何度も催促したのですが、売上げが落ちていて困っているというばかりで支払ってもらえません。どうしたらいいでしょうか。
 
B:これ以上未払賃料が増えると支払ってもらうのも困難になりますから、内容証明郵便で解除の通知書を送っておいた方がいいですね。
 
A:どのように書けばいいのですか。
 
B:「未払賃料が何年何月分から何年何月分まで支払がなく、合計150万円になっている。ついては、本書面到達後10日以内に一括で支払ってほしい。もし、それまでに支払がない場合、賃貸借契約を解除する。」という内容でいいでしょう。請求書の一種と考えればよいでしょう。ここでの期限は大体1週間から2週間おけばいいでしょう。なお、内容証明郵便には字数や出し方について決まりがありますので、文房具屋さんで内容証明郵便用の原稿用紙を買うか、本屋さんで書き方を書いた本を参考にして下さい。
 
A:内容証明を送ってうまくいきますか。
 
B:いいえ。写真屋さんとすればそれだけ賃料を溜めていればお金はないでしょうし、それでも生活をしなければなりませんからすんなり出ていくことも期待できないと思います。
 
A:私としても今のところ出て言ってもらうことまでは考えていませんが、賃料はちゃんと支払ってもらいたいのです。
 
B:そのような場合、弁護士に頼んで未払賃料の交渉を依頼することが考えられますね。
 
 

ある法律相談2(賃借人)

 
A:先日、私が借りている借家の大家さんから、家賃を来月から5000円値上げしてほしいと言ってきて困っています。3年前にも値上げしたばかりなんです。賃料は今までちゃんと支払ってきていました。
 
B:大家からの一方的な値上げ要求に対しては、受け入れる必要はありません。今までどおりの賃料を払っていけばいいのです。
 
A:でも、大家は強硬で受け入れなければ出ていってもらうというようなことも言っており、家賃を持って行ってもすんなり受け取ってもらえそうにありません。
 
B:もし、賃料を持って行ったのに値上げを受け入れないから受け取らないと言われた場合、すぐに法務局に供託をして下さい。供託とは、国が大家の代わりに賃料を受け取ってくれ、供託をしていれば賃料未払とされない制度です。手続は法務局で教えてくれます。なお、毎月供託が必要ですのでそれだけは忘れないで下さい。
 
A:供託をしていればいいのですか。
 
B:大家がどうしても値上げをしたいと思うならば、今後裁判所に調停を申し立ててくることになるでしょう。借家の賃料に関する争いは、大家と借主の間の信頼関係が特に重視されるので、いきなり裁判をすることは許されず、必ず調停を行うことになっています。調停になれば、値上げする事情があるかどうかを中心に判断されることになります。
 
A:調停は自分でできると聞いたのですが、不安です。
 
B:弁護士に依頼すれば、代理人として一緒に調停の席に同席してもらい主な対応をしてもらうことができますし、値上げを認めないようにするためにどのような資料を集めたらいいかなど有益なアドバイスも得られますよ。
 
 

水戸翔合同法律事務所 Copyright©Mito Habataki Law Office. All Rights Reserved.