桜川市残土搬出住民訴訟


 桜川市が業者に発注した残土運搬・処分工事で、実際には運搬・処分していない土量の金額の請負代金を支払っているとして訴えていた住民訴訟で、水戸地裁は、2013年1月31日に、住民側勝訴の判決を下しました。
 判決では、桜川市長が業者に対して余分に支払った580万円余を請求するよう命じています。
 この請負契約では、実際に運んだ残土の㎥数で代金を精算することになっていました。
 住民側は、このトン数を㎥に換算する数字として1㎥が1.06トンというほとんど水に近い小さな数字を使ったことを問題としました。
 運搬した残土のダンプの台数・トン数は市の提出した資料で争いがないものと考えて(実際はこれ自体疑わしいのですが)、この換算のための数値が小さすぎるために支払った代金が水増しされたと考えたのです。
 これを立証するため、裁判の中で、実際に運んだ残土を使って、裁判所の立会いのもとでこれをダンプに積込み、そのダンプの重量を計って、土の比重を計算する、という「実験」を実施しました。
 すると明らかに1.06という数字は小さすぎる結果となり、上記の判決となったのです。
 こうした公共工事では、業者寄りの行政事務が行われていることが多いと言われています。
 今回の判決が、公共事業の適正化に結びつくことを期待したいと思います。
  
2013.4.4(弁護士 谷萩陽一)


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