霞ヶ浦導水差し止め裁判 ~2014.12.19結審します~

水戸地裁に係属している霞ヶ浦導水事業差止め裁判が、いよいよ12月19日(金)に結審します(裁判は同日14時から)。

霞ヶ浦導水事業は、国側の専門家証人も事業の効果を説明できなかったという欠陥事業です。栃木県から茨城県に流れる那珂川水域の全部の漁協が、アユ、サケ、シジミ、それらをはぐくむ環境を守るため立ち上がっています。

当日11時から ホテル・ザ・ウエストヒルズ水戸(水戸市大工町1-2-1 029-303-5111)にて集会を行い、12時から同所から裁判所へ向けてのパレードを行います。

団結してがんばる漁協をを励ます、市民の大きな支援が今、どうしても必要です!裁判官に「社会はどんな判決を求めているのか」しっかりアピールし、勝利をたぐり寄せましょう。結審行動へのご参加を心からお願いいたします。

(弁護士 丸山 幸司)

★署名活動にご協力ください!★
 
導水裁判署名用紙(完成版).pdf







霞ヶ浦導水差止め裁判 ~2013.5.24期日報告~



 2013年5月24日(金)午前11時半から、水戸地方裁判所301号法廷にて弁論が開かれました。

 当日は、右陪席と左陪席の裁判官が交代したため、弁論の更新が行われましたが、更新にあたって、栃木の浅木弁護士、野崎弁護士、当事務所の丸山弁護士が弁論を行いました。


 傍聴席においても、国の事業目的に道理がなく、しかもアユやシジミなどの漁業資源を大きく損なう可能性が理解される弁論でした。

 また、那珂川・涸沼の豊かな自然と漁業資源も紹介され、こうした地域の宝をみんなの力で守っていく決意を固める期日となりました。

 次回弁論期日は、7月12日(金)午前11時半から同じ法廷で開かれます。

写真 右上:小場江堰で遡上し群れるアユの稚魚
   左下:那珂川のウナギ
   右下:那珂川のモクズガニ


霞ヶ浦導水事業差止め請求提訴

霞ヶ浦導水事業差止め請求提訴

 2009年3月3日、那珂川流域に漁業権を持つ茨城、栃木の漁業組合が原告となり、国交省が霞ヶ浦導水事業の一環として計画している那珂川の取水口建設の差止めを求める訴訟を、水戸地方裁判所に提起しました。
 
 那珂川の取水口建設差止めについては、既に、昨年、仮処分の申立を行い、水戸地裁で審理が進んでいるところですが、今回、その本案訴訟を提起したものです。
 
 求める内容は仮処分と同じですが、本訴には、仮処分では当事者となっていなかった大涸沼漁協が新たに加わってくれました。
 
 私たちが導水事業の差止めを求めている理由は、取水口の建設により、アユ等の魚類が吸い込みや迷入の危険にさらされることや取水による那珂川の水量減少による下流域の環境の変化によってアユ、サケ、シジミなどの漁業資源に回復し難い損害を与える危険性があるということです。また、那珂川の渇水期に霞ヶ浦から導水されることにより、霞ヶ浦からの外来魚の侵入による那珂川の生態系の破壊や那珂川の水の汚染も懸念されるところです。
 
 霞ヶ浦導水事業が計画されて既に20年以上経過し、事業そのものの必要性が問われているところです。大きな目的の一つとなっている霞ヶ浦の浄化についても、富栄養化物質である窒素やリンの流入により、浄化どころか、かえって水質は悪化するとの指摘もなされています。
 
 「自分たちの役割は、那珂川の貴重な自然を孫子の代に残すこと」と宣言し、漁業補償の話を一蹴してたたかいに立ち上がっている那珂川流域の漁協の皆さまとともに、私たち弁護団も、那珂川を守るために全力を尽くしたいと決意しています。皆さまのご支援をよろしくお願いします。

(弁護士 安江 祐)



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